Algorithmic Couture β

Algorithmic Couture βは、機械学習アルゴリズムによって生成されたモジュール衣服を提供するマスカスタマイゼーションサービスのプロトタイプである。本サービスでは、人体の3Dデータにもとづいて、着用者の身体寸法ぴったりの型紙を自動生成し、これまでパタンナーが担ってきた設計過程を自動化する。生成された型紙はテトリスのように四角形の布帛に最適化され、無駄な廃棄が出ない。さらに、機械学習によって生成された衣服のデザインは、モジュラーパターンによって構成されており、ユーザはオンラインプラットフォームにおいて自分のテイストにあった形、素材、色、素材をカスタマイズすることができる。
従来のファッション産業は、多大な手作業労働と廃棄に依存している。19世紀にはじまるオートクチュール文化に象徴されるように、職人による手作業を特権化し、デザイナーが生み出す極端な「かたち」が価値とされる閉鎖的な文化が長く続いている。しかし今や、情報空間における無数のユーザによる参加が標準となる中、個人が自らのスタイルをデザイン可能な新たな創造性<デジタル・ブリコラージュ>が一層求められている。
本作品が目指すのは、マスカスタマイゼーションによる19世紀・オートクチュール文化のリバイバルであり、人間が自らの身体に対して抱く「個人化<パーソナライゼーション>」の欲求に対して、アルゴリズムがそれを支援する。本作品は、人工知能との共生を前提として、ファッションにおけるデジタルな創造性を探求する。

  • Credit
  • プロジェクトリード:川崎和也(Synflux) デザインリード:佐野虎太郎(Synflux) アルゴリズミックデザイン:藤平祐輔 テクニカルサポート:清水快 デザインサポート:リドゥワン豊 平田英子 アドバイザー:長見佳祐(HATRA) / 水野大二郎(京都工芸繊維大学) 映像:米山智輝 カメラアシスタント:端山智之 音楽:田中堅大 モデル:大渕珠美 江頭美希 沈佳謡